今年の4月に行われた、デンマーク・オーフス市主催による介護福祉機器/サービスの展示イベント「CareWare」。テーマごとに4会場に分かれて、2日間にわたって開催されました。それぞれのテーマは下記の表。その中で、フォーカス1とフォーカス2に参加し、2日間で30種類以上の製品やサービスを見学。前回に引き続き、視察ツアーの報告をいたします。
自立をサポートする介護機器
ベッド移乗補助具/ロボットスーツ/トイレサポート/片麻痺用上肢訓練機器/電動車椅子/トレーニング用シーリングリフト/トレーニング用の機器/起立用サポート機器/シャワーブース/リハビリテーション機器/加圧トレーニング/姿勢補助ベスト/インテリジェント車椅子向けクッション。
これらの介護ロボットや機器は、身体的にサポートが必要な市民(利用者)が、尊厳を持って自立して暮らせることを目標に開発されています。このコーナーの第1回でご紹介したズボンの上げ下ろしをしてくれるトイレ介助ロボットや、前回の視察ツアー報告(1)でご紹介したシャワーブースなどはその典型的な製品です。
車椅子は、従来の機能に加えて、立位の姿勢をサポートする機能が加わることで、一人で生活する人でも棚から物をとることができたり、キッチンで多少の作業をすることができたりします。シーリングリフトは、ベッドにいても自らトレーニングができるようなトレーニング機器を兼ねています。
介護費用を100%税金でまかなう国、デンマーク。このような介護機器は個人の身体能力に合わせて丁われます。日本でも、介護ロボットの実用化を促すための環境整備を進めていますが、どちらかというと介護する側の効率性を主目的にしているように見受けられます。
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