SHORT INTERVIEW

医療・介護業界の明日への活力となるか?
「医介塾」代表 猪飼大さんに聞く

  • No.62018年3月5日発行
2012年、東京・大田区で最初の「医介塾」が開かれてからわずか6年。今や北は北海道札幌から南は沖縄県宮古島まで、全国37カ所で医介塾が開催されている。そして、この4月には、38カ所目の「八王子医介塾」がスタートする。
写真左:猪飼 大(いかい はじめ)さん(一般社団法人医介 代表理事)
写真右:加藤 桂示 (ATTENTION代表)

●どんな思いで医介塾を始めたのか?

「もともと医療・介護の多職種がストレスを溜めずに明日への活力となるよう、飲み会の延長のつもりで始めたんですよ。だから、ここで儲けようとか高尚な理念を掲げようとか、そういうことは考えていないんです」

それでも医介塾の参加者は年々増えていき、合計すると、今では毎月1300人ほどが各地の医介塾に参加している。さらには、医介塾を自分の地域で始めたいという人も現れている。

●こうした盛況ぶりについてどう感じているのか?

「参加したいというだけでなく、医介塾をやりたいと手を挙げてくれる人がいるのは、自分の地域や事業にもプラスになると感じてもらえたからだと思います」

各地の医介塾の運営をサポートするために、一昨年、一般社団法人医介を設立。地域での自主的な運営を後方支援したいと猪飼さんは言う。そして、近い将来、医介塾として、各地域でボランティア活動を展開できるようになりたいとも。

●今後の目標は?

「転勤や転職で違う地域に引っ越す人がいても、移った先で医介塾に参加すれば地域包括ケアに携わる新しい仲間たちとつながることができる。つまり、全国の都道府県、どこに行っても医介塾がある。そんなふうになったらいいな。それが僕の今の夢かな」
地域包括ケア成功のためには、制度やシステムの改善は重要である。しかし、働き手である人たちの活力維持のためにも、何かもっと違った拠り所があってもいいのではないか。医介塾には、その可能性を見出すことができる。