サプリメントやドリンクなどでおなじみの「プロテイン」、日本語では「たんぱく質」です。
たんぱく質は、炭水化物・脂質とともに「三大栄養素」と呼ばれています。
今回は三大栄養素の中で最も重要な「たんぱく質」について。
〇人の体とたんぱく質
人体の大部分はたんぱく質で構成されています。たんぱく質は生命維持になくてはならないものですが、体内では常に分解されては合成されるという新陳代謝を繰り返しています。このため人間の身体はいつも同じ状態でいるわけではなく、摂取される食品を反映して、絶えず作り直されています。
〇体内でのたんぱく質の働き
・筋肉や臓器・皮膚・毛髪などの 体の大部分の構成成分となる ・生体反応の触媒である酵素や 機能を調節するペプチドホルモン を合成する ・神経伝達物質を合成する ・免疫機能を高める ・酵素を構成する
〇必須アミノ酸とは
たんぱく質はアミノ酸というユニットが集まって組み立てられたもので、そのアミノ酸は約20種類あります。そのうち9種類は、人間の体内で合成できないため、食品から摂取しなければなりません。このためこの9種類は「必須アミノ酸」と呼ばれます。 個々のたんぱく質は全て異なったアミノ酸の構成から成り立っています。豚肉と牛肉のたんぱく質、鯖(さば)と鰺(あじ)のたんぱく質はそれぞれ構成が違うので、体内での作用も異なります。ですから体のためには色々な種類の食品によって、色々な種類のたんぱく質を摂取することが重要になります。
〇動物性たんぱく質と植物性たんぱく質
動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の違いは必須アミノ酸のバランスにあります。動物性たんぱく質の多くは、必須アミノ酸がバランスよく、また多く含まれていますが、一部の植物性たんぱく質には必須アミノ酸が不足しているものがあります。一日に必要なたんぱく質を、単一の食材だけで補うことは不可能です。種々の食材を上手に組み合わせることで、より効率よくたんぱく質を摂取することができます。
〇たんぱく質が不足すると
・記憶力・思考力が減退する ・うつ病や神経症になりやすい ・体力、スタミナがなくなる たんぱく質は食事から摂ることが 基本です。バランスよく3食きち んと食べる習慣をつけてください。
後藤 恭子氏
ごとうきょうこ
管理栄養士 THP産業栄養指導者 ヘルスケアオンライン株式会社取締役
タニタ社員食堂の礎を築いた初代管理栄養士。企業、病院、銀行などで栄養管理、栄養指導を行っており、指導歴約40年、指導を受けた人は5,000人を越える。70歳代になった現在も健康そのもので医師知らず。「その人に合った健康的な生活習慣を伝えること」がミッションで、ダイエットを越えた「食べ方」や、それを支える「考え方」を圧倒的な経験を踏まえて実行しやすい形で伝える。