デイサービス リノベーション事例

デイサービス開業時の 内装工事に必要な設備

  • No.122021年8月16日発行
デイサービス(通所介護)は、各自治体が設ける設備基準を満たさなければ開業できない。設備基準には多くの項目があり、開業のための物件を見つけたとしても、ほとんどの場合、デイサービス向けにリフォームをしなければならない。ここでは一般的に必要な設備を紹介する。

施工/殖産住宅株式会社 写真/小川一成

食堂および機能訓練室――

テーブル、椅子は利用者が全員同時に使える数を用意。面積は利用定員1人あたり3㎡以上を確保しなければならない。

事務室――

職員が事務作業をするための専用区画(パーテーションでの仕切りでも可)を設けなければならない。机と椅子、書類や備品の収納スペースも必要。

相談室――

車椅子でも出入りできるスペースのある空間。エレベーターが設置されていない場合は、2階以上に相談室をつくることは認められない。出入りの多い玄関のそばや声が漏れ聞こえる可能性のある静養室の近くなど、プライバシーを守りにくい場所は不可。

会議室――

デイサービスでは月に1回、自治体の担当者を含めた会議が行われる。そのため、最低4人が座って話をできる会議室が必要。相談室のスペースに十分な余裕がある場合は兼用可能。

静養室――

気分が悪くなる利用者に備えて、ベッドのある空間が必要。個室が理想だが、ついたてやパーテーションなどによりプライバシーに配慮した上で、食堂および機能訓練室内にスペースを確保する場合もある。

トイレ、洗面台――

トイレは車椅子でも使いやすい広さを確保して、利用定員を考慮した数を用意。洗面台の設置は、食事を提供しない場合でも、衛生管理や感染予防のために必須。

消火設備――

消防法上150㎡未満の事務所には消火設備を設置する義務はないが、原則として設置する。消火器だけでなくスプリンクラー、自動火災報知設備、火災通知装置などの設置が求められる。

その他、サービス内容に応じて入浴設備や厨房を設けたり、福祉用具や備品などの保管設備を用意したりすることも必要である。デイサービス事業において設備を充実させることは、サービスの質の向上だけではなく、介護スタッフの負担軽減にもつながる点で、重要である。利用者の増加や人材の確保にも結びつくことを考慮すれば、設備の充実は長い目で見るとコスト削減にもつながる。リフォームの重要性をしっかりと認識する必要があるだろう。

殖産住宅株式会社の施工による
千葉県のデイサービスリノベーション事例

浴室と洗面脱衣室は2人の利用者を同時に介助できる余裕のあるスペースを確保。バス・トイレタリー用品を十分にしまえる収納を設け、スタッフの作業も効率的に

食堂および機能訓練室は利用者が過ごす場所として落ち着いた雰囲気でリラックスできるように。インテリアを損なわずに備品が豊富にしまえる収納庫を壁面に設置

最新のキッチンは清潔で掃除しやすく収納量も豊富で、スタッフの負担を軽くする

フロアの一部にある洗面台は2人同時に使用でき、車椅子で使いやすい高さになっている

トイレはドアの開閉もスムーズで、車椅子が出入りしても十分なスペースを確保

浴室内の保温性、洗い場、浴槽のまたぎ、手摺りなどバリアフリーに配慮した設計

ホームページでもっと詳しく施工事例を紹介。

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